年々、ハードウエアの価格は、指数的にますます安くなっています。昨年買ったコンピュータは、同じ性能なら半分あるいは半分以下の値段で買えるようになりました。
 しかしながら、このようなハードウエアに反してソフトウエアの価格はほとんど変わることがありません。しかも、パッケージソフトウエアにおいては、バージョンが上がるたびに機能が追加され、その分以前よりも高くなることも少なくありません。


 一方、パッケージソフトウエアを使わずに一から独自にプログラムの開発を行う場合においては、その開発費はむしろ高くなる傾向すらあります。 そのような背景においてシステム全体の構築費を安く抑えるためには、ソフトウエアの開発費をいかに抑えるかにかかっていると言って過言ではありません。では、どのようにして、ソフトウエアのシステム開発費を抑えればいいのしょうか。

 それは、「できるだけプログラムを作らない」ということに尽きるのではないでしょうか。

 できるだけプログラムを作らない、しかし、色々とやりたいことはきちんとやってくれる、このようなことが本当に可能なのでしょうか。確かに出来るだけプログラムを作らなくするためには、パッケージソフトウエアの導入をすればいいということは容易に分かりますが、果たしてパッケージソフトウエアを導入すれば、それだけでいいのでしょうか。ここで、改めて色々なシステム開発の形態ごとに、その得失を見てみたいと思います。

 話しをあまり複雑にしないために、3つケースにおおまかに分類したとして、比較をしてみましょう。

 
ソフトウエアのタイプ
パッケージソフトウエアを利用
データベースツールを利用
一からプログラムを作る
開発の費用

少ない(?)
購入費+カスタマイズ費
(かえって高い例も多い)

中ぐらい
購入費+設計&開発費
データ駆動型DB
の利用は効果大)
大きい
設計&大規模開発費
データ駆動型DB
の利用は効果大)
開発の期間
短い
ただしカスタマイズの程度による
中くらい
長くかかる
自社の都合の取込
ほとんど不可能
ほぼ取り込める
何でも取り込める
環境変化への対応
困難
(カスタマイズで可能もあり)
ほぼ対応可
対応可
既存データベース
の活用の度合
SQL等では困難
(表定義仕様が公開されてないパッケージが多い)
フルに活用可
フルに活用可
バグ対応
次のバージョンかパッチをもらう。
(遅い)
作業者で対応可
作業者で対応可
落とし穴
カスタマイズ作業がプログラム開発と変わらず、かえって高くつくことがある。
価格が高過ぎる事もあり。
データベースツールのクセを知らないと失敗することが少なくない。
開発費の見積もりが大雑把になることが多く業者によってバラツキが大きい。
(注)パッケージソフトウエアには、顧客管理、販売管理、生産管理、財務管理、ERPCRMSCM・・・等がある。           
(注)データベースツールとは、弊社開発のR3Dの他、画面定義、帳票定義などができ、データベース処理をパターン化するツール。MS-ACCESS4GL等がある。
 

 上記の表を、さらに、ソフトウエアの構成という観点からグラフ化した図を次に示します。この図の中で、企業独自に作業して開発していく部分をで示します。

 もちろんそれ以外の部分も購入コストがかかりますが、このの部分は、社内で作業するしない(外注)にかかわらず、人が作業した分だけの費用が発生することになります。

 
 

(注)画面apiとは、画面操作やOSの機能を関数化したもの。

 
 

 以上からも分かりますように、費用面から考えると、パッケージソフトの導入が有利に見えますが、だが製品によっては、製品価格や年間の保守費がべらぼうに高かったり、カスタマイズが通常のプログラミングの規模とあまり変らず、かえって高くつくという事もあります。

 また、次の項でも述べますが、企業の変化に追随できるかということも導入の大きな判断の分かれ目となるでしょう。したがって、価格の高低だけでなく、色々な項目から多角的に比較検討することが大切となります。

 
     
   

 

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